2014年7月27日日曜日

親馬鹿アルバム@東京藝術大学~国際こども図書館

そういえば娘が建物を撮るのはこれが初めてかも。 そのせいか親のどちらかにベッタリくっついて、同じ場所を同じ様に写した写真ばかり・・・orz。 何を撮れば良いか、自分が何に魅かれるか見付けられなかったんだろうなぁ。
本人はもっと沢山の画像を選んできたのですが、親と同じ様なものは却下して、オリジナリティが感じられるものだけをピックアップしました。



彼女が最もイキイキとした視点を見せるのは、こうした生き物が相手の時のように思います。 どちらも彼女自身が見付けて来た風景で、「!」がそのまま画に表れているネと、親馬鹿炸裂しちゃいますw。

     

国際こども図書館-階段

ガラスのエントランスホールを奥に進むと、旧玄関ホールに至ります。 この建物内部のクライマックスは、この階段であると断言します!
くるくる階段は数多くありますが、このように中央部が吹き抜けになったものはかなり珍しいのではないでしょうか。 この吹き抜けのお陰で、くるくるの魅力が3倍になっている気がします。

一階部分の手摺は石造りのガッシリしたものですが、2階から上はアイアンワークが使われているため華やかなだけでなく、窓からの光を透かして軽やかな印象になっています。
金属の手摺は隙間からの落下防止と高さを補うためか、現在はガラスで覆われています。 ガラスの固定をアイアンワークの丸い模様に合わせて目立たなくする配慮はされていますし、現役で活用するにはこうした措置は仕方がないのですが、どうしても美観が損なわれてしまうのが残念です。

3階の階段脇にある大きな窓からは「表慶館」のドームが見えて、レトロ風情満点です。 レトロな洋館は数多くありますが、窓から見る景色は無粋なビルばかりと言うのがほとんどです。 こうして窓からの眺めでもレトロを楽しめると言うのは、大変な贅沢でありました。


図書館と言うと夏でもひんやりと言うイメージがありますが、古い建物のご多分にもれずココは暑い! 増築されたテラスには人が立っている部分だけ床から冷風が吹き出す仕掛けなどもありますが、他は冷房が足りておらず特に階段ホールは低温サウナのようです。 もっとゆっくりこの空間を楽しみたい気持ちより、早く外に出たい方が上回りましたw。

そうして外にでると空は鉛色でポツポツと降り始めています。 「表慶館にも行きたい」とダダをこねる片割れをなだめすかして小走りで上野公園を抜ける間に稲妻が走り、上野駅の前の信号で遂に本降りになってしまいました。 こうなるともう帰るしか選択肢はありません。
おやつは上島珈琲で黒糖アイスコーヒーと思っていたのも諦めて、本日のお散歩はこれにて終了i_i
→ 国際こども図書館-外観
→ 国際こども図書館-内部
□  国際こども図書館-階段

国際こども図書館-内部

大概の建物は玄関ホールが最も豪華で見所満載なものですが、この建物の旧玄関ホールはあっけない程地味。 天井飾りはセンスは良いけど小さくて、照明にいたってはただのペンダント。 旧廊下の柱のタイルは美しいのだけれど、モールドも無くてやっぱり地味。
もしかしてココは外面ばかりの見掛け倒し?

そんな戸惑いを覚えながら「世界を知るへや」に入ると、大きなダイヤ型のシーリングメダリオンに手の込んだモールドが目に飛び込んできます。 1階は天井が低い実用的なフロアで、装飾は閲覧室だけに絞っているようです。
     


ところが二階に上がると風景は一転します。
階段を登ると最初に目に入るこのドアは特に美しいものでした。 現在は事務室になっているため入室はできませんが、このドアを潜ると高揚感と共に身の引き締まる思いがするのではないでしょうか? 両手がふさがっているからと言って、足でドアを開閉しようなんて思わないですね。

旧廊下のドーム型の天井はモールで華やかに飾られ、重厚なドアも品の良い彫刻も施されています。
このフロアにはかつて「特別閲覧室」とした使われた部屋があり、現在も「第二資料室」として使われ一般に公開されてはいます。 ただし入室利用には利用カードが必要なため、この日は腰が引けて入室しませんでしたが、公式サイトによると高い天井を中柱が支える壮麗な部屋なようです。



三階には旧廊下は設けず、部屋が広めに作られています。
テラスに面した「本のミュージアム」はかつて「普通閲覧室」だった部屋で、この建物の中でもっとも豪華な部屋です。 外から見た時に印象的なアーチ窓はこの部屋のものでした。 窓際の柱も華麗ですが、奥にあるドア脇の柱は圧巻! うーん、あのドアの先はどうなっているんだろう・・・。
階段左手のホールはシンプルな作りですが、照明器具や柱下部の彫刻は充分豪華なので、用途に合わせてリフォームされたのかもしれません。
どちらも内部は撮影禁止なので、ドアの外からだけパシャりました。
     


こうして最上階まで上がってくるには当然階段を使うのですが・・・これがもぅタマラナイ! なのでそれについては、また続きにて。
→ 国際こども図書館-外観
□  国際こども図書館-内部
→ 国際こども図書館-階段

国際こども図書館-外観

本日のお出かけの理由は「東京藝術大学のオープンキャンパス」ではありますが、一番の目当ては実はコチラだったりしますw。 当然大学に向かう途中も素通りできるワケはなく、正面の写真をパシャリしてから本番に臨みました。



オープンキャンパスを終えて、さぁ「国際こども図書館」ゆっくり見学しましょうと移動したら・・・さっきまでは晴天だったのにこのドンヨリ空はなに? 建物の前に相変わらずプレハブが建っているのは事前に分かっていたので我慢するとして、この天気はあんまりだー!
でも諦めないw。 まずはここで建物の廻りを一周して全体を眺めたいところですが、この建物は両脇に通路がなくそれが出来ません。 裏側を見るには一度館内に入り、裏に抜ける必要があります。
で、ここからがこの建物の面白い処・・・。 エントランスからその先の廊下を抜けると、ガラス張りのテラスに出るのですが、実はこの部分は以前は建物の外でした。 元々の壁の外に床が増築されて、元の外壁はそのまま内壁になっています。 縁側の雨戸をガラスに換えて、縁側をテラスにしたと言う感じです。
今はテラスに抜けるこのアーチは、元は裏庭に出るエントランスだったのですね。
館内の天井(上階の床)の高さに合わせてテラスも天井(床)で分断されており、上階では床からアーチの上部が覗くトマソンな風景が見られます。
外壁を保存する方法としては「旧川崎銀行横浜支店」のようにかさぶた風に保存する方法では外観の雰囲気を変えずに一望できると言うメリットがあります。 「国際こども図書館」のように外に壁を作って覆う方法では普通は見上げるしかない2階の窓を間近でみられると言うメリットがあります。
どっちが良いかなぁ、うーんうーん・・・。


三階の「メディアふれあいコーナー」の奥の窓の一つも床が外に増築され、外壁を覆ったガラスの部屋があります。 外壁に施された彫刻を間近で見られるので下から見上げるのでは想像出来ない程に大きく、細部までしっかりと作られていることが分かります。
ここは外からは見られない「黒田記念館」側の壁にあるので外観にも影響がなく、ディテール好きには堪らないサービスでした。



このテラスに至るためには勿論館内を歩き廻っています。 それについては、また続きにて・・・。
□  国際こども図書館-外観
→ 国際こども図書館-内部
→ 国際こども図書館-階段

東京藝術大学

娘の夏休みの宿題に「2つ以上の大学のオープンキャンパスに行きレポートを制作」と言うのがありまして、しかしのんびり中学三年生に行きたい学校や学部の目標があるワケもなく・・・完全に親の趣味で行先を決めました。 選考基準は絵になるカッコいい建物があることw。

そこで以前門の外から指を加えた東京藝術大学をチョイス、美術学部の見学ですが集合場所は音楽学部と言うのが決め手です。
お供は1DX,5D3に16-35mm,24-105mm,70-200mmの大小三元セットです。

ホールでの説明会を終え、美術学部の構内見学に移動する途中にお目当てのレンガの建物があります。
ひゃーやっぱりかわいいー、などと心の中で叫びながらパシャリし始めると・・・あっという間に「そちらには行かないで下さい! すぐに美術学部の校舎に移動して下さい!」と追い出されてしまいました(涙。 あーん、残念。



美術学部の校舎では制作室で学生の作品が展示されていましたが、こちらは当然ながら撮影はNG。 大石膏室がみられると言うので、ニケが撮れるか!?と盛り上がったのですが、撮影禁止どころか入口から見られるだけでガッカリ。
それでも学食にはちょっと興奮w。 大学の学食が初めての娘はキョロキョロ、超久しぶりの大人は懐かしさにホッコリしました。



美術学部の校舎はモダン建築としての評価が高いらしいのですが、私には普通のビルにしか見えまず・・・。 しかし敷地内にある「陳列館」はスクラッチタイル貼りの壁に窓には斜め格子の面格子のシャレた建物でソソります。
こちらは展示作品も含めて撮影可能と言う事で、古い学校の雰囲気満点の階段をパシャリさせて頂きました。 入り口前の街灯も気を惹かれるのですが、あまりにも立派すぎてどう撮れば良いのかわからないw。


その奥にある「正木記念館」は一転して超和風、真っ白な漆喰壁に鬼瓦を載せてお城のようですが「神奈川県庁」や「九段会館」と同じ帝冠様式なんだそうです。 そう聞いても壁が白いせいか、お城にしか見えないんですが・・・。
よほど古い建物かと思ったら、昭和2年の竣工で鉄筋が入っていると言うのは意外でした。
「陳列館」と「正木記念館」の間には旧校舎建て替えの時に玄関部分を移築した「中門」があります。 一見するとお寺の正面のようですが、「正木記念館」の一階部分の白黒ボーダーの壁と「陳列館」の茶色の壁の間にあって不思議と調和していました。


これだけ見れば(見ているものが本題とはズレているような気もしますが)レポートは充分に書けることでしょう。 本日のミッションはこれにて完了と言う事にして、楽しいお散歩に出かけましょう♪ それについては、また続きにて・・・。