松島基地と云うと3.11の様々な映像と共に、津波に流されるF-2の姿がまざまざと思い出されます。 それ以降この地での航空祭は中止されていましたが、この春修理を終えた6機を含めた10機のF-2と共に第21飛行隊が松島基地に帰還したことを受けて、「復興感謝イベント」の名で2010年以来6年ぶりに開催されました。
しかし事前公募9,000名・特別招待1,000名の計1万名に限定、規模も縮小しての開催です。 事前公募はかなりの難関だったようですが、幸運にもこれに当選して二人で訪問しました。
道連れは1DX,1DX2に、24mm,100-400mm,200-400mm1.4x,Extender1.4xです。 6月に発注したCFastがまだ届いていないため、この日の1DX2は連写による息切れを少しでも回避すべくRAWのみの保存で運用してみました。
最寄の駅である矢本駅の周辺は昭和を感じる民家が並ぶ長閑な田舎町ですが、基地に向かってなだらかな傾斜を下って行くと、ある地点から先は新築の住宅ばかりになります。 津波がここまで来たということでしょうか・・・。 今自分が立っている場所が「あの日、あの場所」なのだと云う実感に、色々なものがこみ上げて来ます。
基地の外周に築かれた防潮堤や、かさ上げして舗装されたばかりのエプロンの目を刺すような白さにも、津波の記憶が呼び覚まされます。 「あれからの日々」を生きた地元の方々に想いを馳せました。
ちょっと俯きがちな気分になっていましたが、F-2のエンジン音が無理やりにも顔を上げさせます。 戦闘機の機動飛行を目の当たりにするのは二人共初めて、機動中の迫力は入間の帰投とはワケが違いました。
飛行コースが遠く400mmでは箸にも棒にも掛からず、太郎の内蔵と外付けの二重エクステンダによる最大784mmの一人舞台となりましたが、速度が速くフレームに収めるのは至難の業でした。
F-2の機動飛行が行われた南の空は低い雲に覆われており、クライム系の飛行は一切行われずちょっと間延びした感じ。 またバックが青空に掛かる事が無かったのも残念です。
それでもアフターバーナーを焚きながらベイパーがバリバリ出る戦闘機の機動に酔いしれながらも、必死で撮りました。
比較的悪条件の中での機動でしたが、タッチ&ゴーしてくれたり、最後の最後で背中をパックリ見せてくれたり・・・
十分減速して必要もないのにドラッグシュート広げてくれたり、パイロットもちゃんと分かっていらっしゃる感じです。
F-2の機動を見た海沿いの滑走路近くは午後のブルーインパルスの飛行展示の際には閉鎖されるため、早めにA格納庫付近に移動しました。 それについては、また続きにて・・・。