2015年2月28日土曜日

恩賜上野公園⑤-根付 高円宮コレクション

面白そうな部屋に並べられていたのは、こちらの根付たち。 「根付」が何物かと言うことは知識としては知っていましたし、収集家が存在することも知っていました。 しかしこうして沢山の名品を一度に目にするのは初めてです。
2~3cmの中に精緻な細工が詰め込まれており、それは見事なものです。 たとえ小さくともこれが「彫刻」ならば高尚になりすぎるところを、「根付」という工芸品にすることで、コレクションしやすい存在になっているように思いました。


根付というとモチーフはこういった縁起物や動物というイメージでしたが・・・



モチーフの「猫」はオーソドックスでも表現のしかたが現代的なものや、


チシャネコやカチカチ山の狸なんて愉快なのもあり。


日本らしい季節限定アイテムとか、


3Dプリンターのサンプルモデルみたいなのとか、


キャストの置物みたいなのとか、千差万別。


どれも素敵で、実物は無理でもせめて写真くらいはコレクションしたいと思いましたが、場所が空かなかったり高いところに展示されていて背が届かないものもありで、ほんの一部しか収集できませんでした。 定期的に展示内容の入れ替えも行うようなので、物欲を満たすには何度か通わないとなりませんなw。
そうこうしているうちに何度目かの「もうすぐ閉館」のアナウンスが流れます。 入館料¥620-のモトを撮るどころか数倍も楽しんだので、本日のお散歩はこれにて終了♪
→ 上野恩賜公園①-黒田記念館
→ 上野恩賜公園②-春の気配
→ 上野恩賜公園③-東京国立博物館・本館
→ 上野恩賜公園④-日本美術の流れ
□  恩賜上野公園⑤-根付 高円宮コレクション



帰りがけ、西日できらめく噴水の水面と。

上野恩賜公園④-日本美術の流れ

一口に展示を見ると言っても巨大な博物館ですから、通常展示だけでも範囲を決めないと回りきれません。 この日は本館二階で『日本美術の流れ』と言う展示を見学しました。 縄文・弥生時代から江戸時代までの美術品が時系列で展示されています。
重要文化財に次ぐ重要文化財を見られるだけでも楽しみなのに、その上パシャリできるとあって、ウホウホです。 レンズは近づいて撮ることを考慮して、100mmマクロをチョイス。
しかし、展示室は暗い! 大階段もかなりの暗さで開放しか使えませんでしたが、展示室はそれどころではありません。 絞りたくてもノイズが怖くて絞れない、しかも至近距離での撮影で、必要以上にボケてしまいました(涙。




     


ボケまくりでも、ブツ撮りって楽しいわぁ♪ ファインダーを通して見ると間に分厚いガラスがある事を忘れて、対象と直接向き合っているような気分になれました。 見返してみるとカタログ写真にもなっていないのでが、面白かったので万事OKです。
一回りして気になったものをもう一度撮りに戻ろうかと思ったところで、もうすぐ閉館の無常のアナウンス。 ¥620-以上に楽しんだのでまぁいぃかと大階段に向かったところ、なにやら面白そうな部屋を発見! でも、それについてはまた続きにて・・・。
→ 上野恩賜公園①-黒田記念館
→ 上野恩賜公園②-春の気配
→ 上野恩賜公園③-東京国立博物館・本館
□  上野恩賜公園④-日本美術の流れ
→ 恩賜上野公園⑤-根付 高円宮コレクション

上野恩賜公園③-東京国立博物館・本館

この博物館には五つの建物がありますが、まずは「本館」。 入館したらまずは撮影の可否の確認をし、特別展と撮影禁止の表示があるもの以外は全てOKとの回答にむふふふふ♪

憧れていたのですよぉ、この吹き抜けクルクル大階段! この手の階段は神奈川県庁表慶館にもありますが、規模がまるで違います。 人が10人程並べそうなたっぷりとした幅、磨きこまれた大理石のこってりとした艶、繊細でありながらすっきりとした照明、どれをとっても桁違いです。
これだけ存在感のある階段に、万年初心者の構図の工夫はヤボというもの。 潔く真正面からドドーンとシンメトリーです。



大階段の正面、踊り場の壁にはレリーフに縁取られた時計がありますが、このレリーフは貼り付けたものではないですよね? こんな風に彫って磨くのって、ものすごく難しいんじゃないでしょうか?? 職人さんの息遣いが伝わってくるような迫力でした。
両脇を飾るステンドグラスはアカンサスをモチーフにしたデザイン。 渋くて淡い色味が厳格な雰囲気にマッチしているだけでなく、大理石の壁面に反射したときも美しく馴染んでいます。



この日行われていた本館での特別展は「みちのくの仏像」、大規模な特別展が行われる平成館は休館中でしたので、週末としてはかなり空いている日だっただろうと思います。 それを狙って「黒田記念館」と掛け合わせたのですが、お陰でゆっくりパシャリを楽しむことができました。 それでも人が全く入らない写真を撮るなんて無理ですけれど。



折角¥620-払って入ったのに、梅や階段だけで帰るのは勿体無いので、博物館の展示も見ようと思います。 でもそれについては、また続きにて・・・。
→ 上野恩賜公園①-黒田記念館
→ 上野恩賜公園②-春の気配
□  上野恩賜公園③-東京国立博物館・本館
→ 上野恩賜公園④-日本美術の流れ
→ 恩賜上野公園⑤-根付 高円宮コレクション

上野恩賜公園②-春の気配

この日の第二の目的は花探し。 黒田記念館に向かう途中、早速公園の噴水の辺りでカンザクラとチューリップに出会いました。 こうして新鮮な色を目の当たりにすると、冬の間どれほど色彩に飢えていたのかに気づきます。
     


黒田記念館を出た後はウメを見るために、東京国立博物館に入場。 今年も表慶館の裏手の白梅が見ごろになって、ふくよかな香りを振りまいていました。
敷地内にはピンクや紅の梅もありますが、本数が少ない上にどれも撮りにくい場所に植えられているので、白梅ばかりパシャリ。 梅園と呼べるような規模ではありませんが、枝の茂りっぷりと花の数が半端ありません。 




ウメってどう切り取ればウメらしくなるのか、どうも良くわかりません。 花をアップにするというより、枝の動きと花のリズムがウメらしさかなぁとは思うのですが、実際に撮ってみるとサクラのようになってしまったり・・・。
     
花がたくさんついた状態の良い枝よりも、閑散とした枝でやっとウメっぽい絵になりました。 着物の柄や「紅白梅図屏風」は、これくらいの花つきなのではなかろうかと思います。


折角¥620-払って入ったのに、梅だけで帰るのは勿体無いので、博物館の中にも入ってみようと思います。 でもそれについては、また続きにて・・・。
→ 上野恩賜公園①-黒田記念館
□  上野恩賜公園②-春の気配
→ 上野恩賜公園③-東京国立博物館・本館
→ 上野恩賜公園④-日本美術の流れ
→ 恩賜上野公園⑤-根付 高円宮コレクション

上野恩賜公園①-黒田記念館

この日は久しぶりの一人お散歩、本気モードでお出かけしました。 道連れは1DXに、16-35mm,70-200mm,100mmマクロの最近の変則セットです。

向かった先は上野、なかでもコチラの建物がこの日のメインディッシュです。 男性的なスクラッチタイルによる円柱オーダーだけでも珍しいと思うのですが、これにイオニア式の柱飾りまである個性派。
これまでにも何度か外観は見ていますが、長らく改修工事のために閉館していておりました。 今年に入ってやっと公開が再開されましたので、念願かなっての訪問です。




玄関を堪能してフロアに上がると、すぐに案内の方が「ようこそ」と迎えて下さいました。 そこでチケット売り場や受付の場所を尋ねると、無料との回答にうれしいビックリ。 更に館内での写真撮影の可否を伺うと、作品が写らないように配慮していただけるなら展示室の中でも可能とのこと。 好感度高いわぁ~。


幸せ気分でフロアを見回すと、内部は外観とは打って変わって清楚な雰囲気。 白い壁とうす緑の建具の組み合わせはこの時代の建物で良く見かけますが、どうしてこんなにもうっとりするのでしょう。
 
そしてクライマックスは、くるくる階段!
アイアンワークの手すりは繊細ながらもすっきりとした印象で、気持ちよくリフレインしています。 赤いカーペットを踏むとしとやかに、むき出しのタイルを走ると元気良く、足音をリズムに変えてくれるようです。




2階は展示スペースになっています。 「資料室」と「映像室」は普通の小部屋。 「特別室」はこの日は閉鎖されており、「湖畔」などの名作は見られず残念でした。 
「黒田記念室」のドアの上部には「黒田子爵記念室」の文字が刻まれており、この部屋が建物の中心的存在であることをアピールしています。 室内には黒田世紀の遺族より寄贈された作品が展示されており、ゆったりとしたスペースにベンチも置かれて寛いで作品を鑑賞することができます。 展示作品の中ではデッサンが面白く感じました。
この建物は日本の洋画の祖とも呼ばれる黒田清輝を記念する建物なので、作品も彼のものばかりです。 なんだかそれでは勿体ないような・・・。
美術館がたくさん集まっている場所にあり、室内の雰囲気は古典的なものでも斬新なものでも受け止められる品格と開放感があるのですから、若手のアーティストに解放するなど、もっと活用してもよさそうに思いました。


さて、ここらでちょっと休憩。 花粉症の鼻炎カプセルを飲んで出かけたので、体中の粘膜が全てカラカラです。 お店は迷わず併設カフェ、だって上島珈琲店なのですもの、やっと黒糖ミルク珈琲にありつけるのですもの!
とウキウキとカフェに向かったら、なんと無念の満席(涙。 干からびたまま次のターゲットに向かいましたとさ。 それについては、また続きにて・・・。
□  上野恩賜公園①-黒田記念館
→ 上野恩賜公園②-春の気配
→ 上野恩賜公園③-東京国立博物館・本館
→ 上野恩賜公園④-日本美術の流れ
→ 恩賜上野公園⑤-根付 高円宮コレクション