2014年5月10日土曜日

鳩山会館②-館内

応接室1
この建物には2つの応接しつがあり、玄関のすぐ脇に最初の応接室があります。 こちらは装飾を控えた重厚な印象で、政治の舞台に相応しいお部屋です。
家具は当時のものですが、この建物はオリジナルの椅子の多くに座る事ができます。 カバーが掛かっているのでデザインは分かりませんが、招かれた客と同じ目線で室内を見回せるのは、なかなか感慨深いものがあります。
ちなみに、最初にこの部屋でビデオを見てから館内を廻るよう薦められますが、強制ではないので私は謹んでパス申し上げました。

この部屋の窓2面がステンドグラスになっています。 エンブレムの赤い部分には3羽の鳩が描かれています。
てっきり同じものが左右対称になっているだけだと思って1面しかクローズアップを写さなかったのですが、帰宅してから見ると模様はほぼ対称ですが、配色が全然違っていました。 しまったー!


応接室2
お隣はもう一つの応接室。 一転してこちらは白をベースとした、ロマンチックなお部屋です。
この部屋は『花子とアン』で葉山連子の自宅のロケ地となっており、丁度今週放送されたばかりなので叔母様方の注目度No.1でした。 連子は白い暖炉を背にして座っていましたね~。

写真の奥にある背の高い椅子が鳩山一郎の定位置だったそうです。 その廻りの椅子に閣僚が座り、応接室1のソファに官僚や秘書官が控えたんでしょうか?
部屋の印象だけで見ると、この応接室が政治の舞台と言われてもピンと来ませんが、実物の家具が置かれているだけでそうした光景が目に浮かんで来るのは面白いですね。
窓には花が描かれたステンドグラス。 中の一枚に描かれている鳥は、これも鳩でしょうか?
サンルームから射しこむ光が透けて、ロマンチックな部屋に華やかな色どりが映えています。


食堂
更に奥に進むと、またしても落ち着いた色味の食堂。
ここまでの3つの部屋は玄関ホール・廊下への出入り口の他に、隣の部屋へ続く大きなドアがあります。 これを開け放つ事で3つの部屋が連結します。 日本家屋の様な作りですね。 そう思うと、サンルームは縁側・ステンドグラスは欄間・その絵柄は花鳥風月と言う具合に、日本的な演出が意識的に盛り込まれているように思えてきました。
落ち着いた色合いの応接室1から見ると明るい応接室の中央に座る首相は、床の間を背にスポットライトを浴る殿様のように見えた・・・かもしれません。



階段
ここで一度玄関ホールに戻り、2階に上がって見ます。 ココにもありましたヨ、大好物のクネクネ階段! しかもステンドグラス!!

全体を色で塗りつぶすのではなく背景は無色の磨りガラス(?)になっているため、外の色がうっすらと透けて見えます。
立つ位置で透る色が変化するので、階下に居る時には五重の塔を麓から眺め、2階からは展望台から眺めているように見えます。 夕暮れ時には五重の塔も茜色に染まるのでしょう。
外の風景を借景していると言うのか、旧小笠原伯爵邸のサロンと同じ手法ですが、一段上の効果が出ているように思います。



バルコニー
車寄せの上部はバルコニーになっており、フクロウ・鳩・鹿の飾りがみられます。
鳩山さんのお宅ですから鳩は納得、政治家さんのお宅ですから知性を象徴するフクロウもまぁ納得。 でもシカは? 単に動物好きだったんでしょうかねぇ・・・。
   


展示室
バルコニー全室の両脇には2つの展示室があります。 このうち「一郎記念室」には最後となる5つ目のステンドグラスがあるのですが、この室内は撮影禁止。 仕方なく外から撮影しましたが、ステンドグラスは光を透かして見ないとダメですね。
ここにも鳥が描かれていますが、鳩ではなく南国の鳥のようです。

もう一方は和室の「薫記念室」、更に2階奥には「特別展示室」があります。 1階には「威一郎記念室」もあります。
現在非公開になっている部屋は、将来は「由紀夫の部屋」とか「邦夫の部屋」になるんでしょうかw。 私邸ですから、そのへんは好きにやって下さいな。


大広間
以前は柱を境に奥の間を持つ3つの部屋に分かれていましたが、改修時に鳩山関係者専用の多目的室に変更されたそうです。
歴史的観点から言うととんでもないトコかも知れませんが、洋館マニア的観点から見るとこの改修は大成功だと思います。 ガラスの柱はちょっと照れくさいですが、大きな窓から庭を眺める解放感や、床の組み木の陰影、差し込む日差しを浴びてニスが描き出すスペキュラは絶品です。


大広間から庭を眺めると、様々な薔薇が咲いているのが見えます。 これは我慢できません、サンルームを廻ってのその先は続きにて・・・。
→鳩山会館①-正門~玄関
□鳩山会館②-館内
→鳩山会館③-サンルーム~外観

0 件のコメント:

コメントを投稿