2017年7月23日日曜日

千歳基地航空祭 3日目③-大キャンセル祭りの本章

昼休みにトイレやお買い物をしている間に、綺麗な夏の空♪ 晴天の下だと地上展示も見応えがあります。
ここでしか見られない、グラウンドレベルから見上げる日の丸ジャンボをゆっくり堪能しました。
この日の花子的目玉は「F-104J スターファイター」、かつてこんな機体が飛んでいたことすら知りませんでした。 その姿は「マットアロー1号」か、はたまた「ジェットビートル」か!? ロケットに翼をつけたようなバカっぽさが、いっそ潔くてカッコイイです。



そうこうしているウチにお昼休みは終了。 雲が多いので縦系はムリかも知れないけれど、これならブルーは飛べるはず! 今回のメインは日の丸ジャンボとの絡みなので、見晴らしの良い後方に移動して広角レンズで離陸を待ちます。

粛々とウォークダウンが完了し、滑走路でエンジンそしてスモークチェックとプログラムが順調に進んでいきます。 いざテイクオフ、と思った瞬間「ちょっとまってねー、ウィッチ噛んでるな。 ブレーキが外れなくなったな。 ちょっとねー、動けなくなった。」「1が動けないで宜しいか?」のやり取りがラジオから聞こえて来ました。 先頭にいる1番機が動けないので2,3号機が脇を抜けて前に出ることもできず、5番機が交代して隊長機を務めることもできません。
そんな中でも「5,6、イーストランウェイから上がれるかな?」とか、この日がラストフライトとなる5番機パイロットの園田さんも「エンジンカットしてバックできるなら5機で上がりたい。」と、何か見せようと粘っていますが、「そうやってるともう時間ないので、上がれても5,6しか上がれないと思う。」と云う残酷な宣告に「それだったら5,6で上がります。」と素直に従います。 「できる科目・・・」と呟きながら最善を模索し続けてくれましたが、「やれる科目無いんでキャンセルします」の勇気ある決断を称えます。
 
「キャンセル」といってもそれは「ブルーインパルスの曲芸飛行をキャンセル」であって、ブルーインパルスのT-4のフライトをキャンセルではありません。 「ウェザーチェックで5,6上がって、ダメだったら降ります」と最後の望みをかけて5,6番機が離陸しましたが、残念ながらスモークもハイレートもありません。
そして「5,6でやるには厳しい天気なので、タックイニシャルで降りまーす。」と、せめてもの見せ場を作ってから着陸しました。

その間も地上では滑走路をクリアにするための奮闘が続いており、「カットしてもオレの飛行機動けないかもね。」「全部カットして、全部引っ張っていきます。」「ランウェイクローズはもう陸運(局)の了承とってありますんで、落ち着いてやって下さい。」と云うやり取りも聞こえていました。 この間のやりとりは他の方がYouTubeにアップされていらっしゃいましたので、そちらをお聞き下さい。


 9:00〜 オープニングフライト:F-15,T-4
 9:10〜 救難訓練展示:U-125A、UH-60J
9:40〜 模擬対地攻撃&模擬対空射撃:F-2,VADS
10:00〜 F-15大編隊 航過飛行
10:10〜 異機種編隊飛行:F-15、747-400
10:15〜 F-15機動飛行

10:40〜 政府専用機 航過飛行:747-400
11:15〜 F-16曲技飛行
13:40〜 ブルーインパルス:T-4 (6機)
観客としてはとても残念な結果でしたが、それ以上にスタッフの皆さん、特にラストフライトの園田さんはもっと残念だったことでしょう。 しかしそんな中でも冷静に判断し、最善を尽くす彼らの姿には充分魅せられました。
今年の千歳基地航空祭は大キャンセル祭りとなりましたが、隊員の皆様お疲れさまでした、ありがとうございました。


航空祭はこれで終わりですが、自宅に帰るためには新千歳空港に行かなければなりません。 そして空港には、当然ながらヒコーキが居ます。 でもそれについては、また続きにて・・・。

⇒ 千歳基地航空祭 1日目-展開
⇒ 千歳基地航空祭 2日目①-予行
⇒ 千歳基地航空祭 2日目②-赤れんが庁舎
⇒ 千歳基地航空祭 3日目①-大キャンセル祭りの幕開け
□  千歳基地航空祭 3日目②-大ヴェーパー祭り
⇒ 千歳基地航空祭 3日目③-大キャンセル祭りの本章
⇒ 千歳基地航空祭 3日目④-大キャンセル祭りのトドメ

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