2014年12月22日月曜日

旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)-その2

「大広間」にあるこちらは「第一階段」、邸宅ですからくるくるですよ~♪ でも、まるで萌えない・・・。
くるくる階段は少なくとも一方の手摺が吹き抜けていないと萌え要素にはならないのですね。 こんな風に両脇が壁に埋もれていたのでは、クルクルの魅力は発揮されないのですぅ。 うーん、惜しい!

両脇が埋もれているくるくる階段を見るときは、この位置からが宜しいようです。


階段を登りきった先には「二階広間」があります。 手摺の照明柱と天井の照明は円と花を基調とし、窓枠は直線をリズミカルに使ったデザインで、アール・デコしています。
ここもホテルのロビーっぽいのですが、1階の広間よりは居心地が良い雰囲気。 ご一家もここにピアノを置いて、寛ぎの場として使われていたそうです。


広間の左手には若宮の部屋が3つ続きます。 一番北側の「若宮寝室」は半円形の張り出した窓が特徴的で、カーテンの上飾りが壁の弧を一層引き立てています。
続いて「合の間」・「若宮居間」となりますが、どの部屋にも家具が無いのが残念。 唯一今の柱に沢山刻まれた細かな傷が男の子の部屋の名残を見せています。 この建物は後に首相官邸・迎賓など様々に使用されて来たので、後日付けられた傷なのかも知れませんが、私としては若宮がやんちゃをして付けた傷と微笑ましく思っておきたいです。


広間の正面は「殿下居室」になっています。 この部屋では揃いの壁紙とカーテンが圧倒的な存在感を持っています。
これまで私は部屋の雰囲気の大半はカーテンで決まるものの、壁紙にはまるで存在意義を感じておらず「白が清潔で広く見えていいじゃん」くらいにしか思っていませんでした。 「旧岩崎邸庭園」で金唐革紙の壁を見ても、綺麗と思うだけで憧れる気持ちはまるでありませんでしたが、これは素晴らしい!

ラジエーターカバーはアール・デコで良く使われる噴水をモチーフにしていいますが、私にはアール・デコと言うより琳派の図案の様に見えました。 まぁ、アール・デコそのものが琳派の影響を受けているので、当たらずとも遠からずと言うところでしょうか?
居室左の「書斎」は円形の部屋にみえますが、実はこの部屋は正方形です。 四隅を飾り棚で覆って円形に見せ掛け、天井も円形のドームにする事で一層丸い部屋らしく見せています。
居室右手は「殿下寝室」ですが、家具も特徴もないただの四角い白い部屋でした。
  


広間から延びる廊下を右に進むと、「第一浴室」を挟んで「妃殿下寝室」があります。 この部屋のラジエーターカバーは妃殿下ご自身がデザインされたものだとか。
妃殿下は明治天皇の第8皇女ですので、自らのお印がモチーフでしょうか?
寝室とサーモンピンクのドアで繋がる「妃殿下居間」は南に面した半円形のバルコニーと西面に腰高窓を備えた明るいお部屋。 アール・デコ腸のメダリオンから下がるボールを5つ束ねた照明は、女性の部屋に相応しい可愛らしさで、この建物の中で一番気に入りました。
     
     
寝室は夫婦別って、この時代にすでに家庭内別居ですか!? と思いきや、庭を見降ろす南側のベランダでちゃんと繋がっていました。 ふぅ、良かった~。
それどころか、このベランダにはご夫妻の居室・寝室からしか出入りできないと言う、超スィートな空間でした。

この建物には2階広間に隣接する「北の間」と言うベランダもあり、こちらはご一家の夏の寛ぎの場となっていたそうです。


南西奥のドアを入った最初の部屋は「姫宮寝室」、女性の部屋らしからぬ色合いの壁紙ですが、光の辺り具合で照りが変化するとても美しいものでした。
その奥にある「姫宮居間」は3面に窓を持つ明るく居心地の良さそうなお部屋。 壁紙は今の感覚では女の子の部屋っぽくはありませんが、サーモンピンクのマントルピースや丸い鏡がロマンチックな印象を与えます。


姫宮の部屋の前には「第二階段」があり、ここから登ると「ウインターガーデン」と呼ばれる温室があるそうですが、残念ながら今回は公開されていませんでした。
ここを下ると「小食堂」の前、そして新館への通路と続きます。 でもそれについては、また続きにて・・・。
→ 旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)-その1
□  旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)-その2
→ 旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)-その3

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