2014年12月22日月曜日

旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)-その1

この日は2人でお出掛け。 道連れは1DX,5D3に、16-35mm,24-105mm,たまに70-200mmです。
行き先は最近リニューアルオープンした、「庭園美術館」こと、旧朝香宮邸です。 こちらは美術館ですので普段は撮影できませんが、年に数回建物及びインテリアの展示を行う期間だけは撮影が可能です。 リニューアルオープン最初のプログラムがこの形式のものでした。 ただし混雑する休日はこの期間中も撮影禁止なので、わざわざ有給を取ってのお出掛けとなりました。

国内におけるアール・デコ建築の最高峰と呼ばれる建物ですが、外観はいたって普通なような・・・。 ちょっと田舎にいくと、こんな雰囲気の大きな御宅って、結構ありますよね??


しかし玄関を入ると、いきなり目の前にこの建物のシンボルとも言うべきルネ・ラリックのガラスのレリーフの扉が現れます。 レプリカやソレっぽいのではなく、正真正銘のオリジナルです。
床のモザイク・タイルと照明器具は宮内省内匠寮技師の制作。 基本を咀嚼した、日本のアール・デコです。



ガラス扉の奥右手には、階段下を活用した客用化粧室。 階段の傾斜に合わせた曇りガラスとアイアンワークはとてもオシャレで、洗面台も丸みを帯びた蛇口が可愛らしい素敵なスペースですが、手を洗ったり髪を撫でつける姿が剥き出しになるのって、どうなんでしょ?
ガラス扉の先には「大広間」があります。 建物に対してとても広く、天井の照明はシンプルなデザインのものが40個並ぶモダンなもので、昭和初期の建物・個人の邸宅という感じがしません。 ホテルのロビーと言われた方が納得できそうな雰囲気です。 壁の材質とか大理石のマントルピースとか、お金は掛かっているんだろうなとは思うのですが、私のセンスでは有難味がわかりませんw
隣接する「次の間」には白い陶器の『香水塔』が1つドーンと置かれていて、一層ホテルのロビーっぽく見せています。
しかしこれが、朝香宮一家が住まれていた当時の姿なのだそうです。 生活感どころか、人の暮らした気配がまるで感じられない建物ですねぇ。


「第一応接室」を覗くと、狭い上にやたらと質素。 この落差は何事かと思ったら、来賓のお供の人が待機する部屋と聞いて納得しました。
その隣の「小客室」も狭いのですが、一目でお金が掛かっている事が見て取れます。 この部屋の壁は一枚の絵を壁紙として貼りめぐらしており、独特の雰囲気を醸し出しています。 日本の襖絵みたいですね。


「大客室」は豪華です! ルネ・ラリックのシャンデリアの灯で浮かび上がる壁画やフロストガラスのドアとその上部の飾りなど、お金が掛かっているではなく「華やか」と感心する事ができました。

     


「大食堂」は豪華を通り越して派手w。 壁面はお花のレリーフを銀で飾り、大きなマントルピースの上には西洋の庭園を描いた壁画。 照明器具はちょっと見には蛍光灯の吊り下げペンダントのようですが、果実をモチーフとしたルネ・ラリックのガラスのパネルです。

庭に面して半円形に貼りだした窓は、この建物でもっとも華やかで絵にし易い風景です。 それだけに人波が絶えず、粘りに粘った末に、やっと人が入らない写真をとることが出来ました。


「小食堂」は驚きの和空間。 柾板の天井に床の間まであり、照明器具にも西洋かぶれの匂いはありません。 「大食堂」のこれでもかの豪華さと人いきれにアテられた直後だけに、この空間にはほっとしました。
こちらは日常の食堂だったそうで、この部屋でやっとご一家の気配を感じる事ができました。


こうした邸宅は1階はパブリックで2階はプライベートに分けられているものなので、2階に上がるともっとご一家の気配を感じられるかも? そんな期待を持ちながら、「大広間」に設けられた階段に向かいました。
でもそれについては、また続きにて・・・。
□  旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)-その1
→ 旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)-その2
→ 旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)-その3

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