2019年6月2日日曜日

『夢のなかへ…』のネタばれ

おかげさまで大盛況をいただいておりますPar Avion 3ですが、花子が在廊中に『どうやって撮ったの?』とお声を掛けていただいたコチラの作品のネタばれ、ジャッジャーン!

花子はヒコーキが好きと云うより、飛行機がいる風景が好きです。 中でも夜の羽田空港は路面にちりばめられた誘導灯や東京湾の向こうに見える東京の夜景がイルミネーションのようで、これから飛び立っていく人々のワクワクを一緒に味わえる、大好きな風景です。
しかしそんな風景も写真に撮ると、誘導灯も夜景も小さな光のツブになってしまって、シャッターを切った時の気分が台無しです。
そこでこの作品ではイルミネーション撮影でよく使われる「ピントずらし」を応用してみました。

Step-1
まずは目的のヒコーキ(カンタスの747-400)をジャスピンで撮ります。 この日は珍しく三脚を持参していた&夜景とイイ感じで重なる場所で長時間停まっていてくれたというラッキーも重なり、f2.8 SS2秒 ISO100で撮影できました。
続けて同じピントリングだけを弄ってピントをずらした写真を数パターン撮影します。 ピントをずらすと焦点距離も微妙に変わるらしく、このままでは玉ボケがずれてしまうのでピントが合っている画像にあわせてスケーリングしました。


Step-2
この時の羽田空港はエプロンに拡張工事のためのトラックが駐車していたり資材が積まれていたりで、背景がとても煩くなっていました。 背景の誘導灯だけでなくこれらも少しだけピントをずらしてボケた画像を使うように、Photoshopで画像合成することにしました。

しかし単純に機体の向こうはボケた画像とすると、折角の東京の夜景もボケてしまいます。
そこでレイヤーマスクを使って、スカイツリーなど遠くのビルはピントが合った画像が見えるように合成します。


Step-3
ここにリズム感が出るようにより大きな玉ボケの画像を重ねますが、そのまま重ねると動きのないベタっとした感じになってしまいます。
ここでは「比較(明)」と云うモードを使って合成しました。 この合成方法では Step-2の画像と大きな玉ボケの画像をピクセル毎に比較してより明るいほうのピクセルを採用することで、多重露光のような見え方になり、下の画像の玉ボケがポワーンと広がったように見せています。

ついでに画面左下の地面が光って悪目立ちしていたのも、この画像を重ねて抑えました。


Step-4
ここにヒコーキを見送る私のワクワクも表現したくて、東京の夜景にStep2で使用した画像を再度重ねました。 この時も夜景を見せつつキラキラを追加したいので、「比較(明)」で合成して完成したのが冒頭の画像です。 夜景以外の部分はここまでの画像と同じ明るさなので、結果に変化は現れません。

こうした加工を善しとしない方がいらっしゃることは承知しておりますが、デジタルっ娘の花子は全く抵抗を感じていません。 画像処理を経る事で花子がこの時に感じた風景を具現化できたと思っています。


完成した作品は6月5日(水)まで、Par Avion 3(アイデムフォトギャラリーシリウス)にて展示中です。 気合を入れてA1でプリントしておりますので、どうぞご覧くださいませ。

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